財経新聞にショッキングな記事が。
「 金融でも「共同演習」に乗り出した米中」|財経新聞
との見出しです。
記事では、世界銀行とアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、世界各国のインフラ投資案件に共同融資していくことで基本合意したとのことですが、そもそも世界銀行と中国共産党との関係は、35年ぐらい前に遡ります。
経済圏構築に躍起になるAIIBとADB
この結果として、ADB(アジア開発銀行)は窮地にたたされた可能性が高い。日米が中心となり構築した経済圏が侵食され、体制が無力化させられようとしているわけですから。ADBから投資を受けた国は、少なからず日米のルールに則って、経済発展していく可能性が高く、政権や政府との繋がりも深くなる点に大きな利点があります。
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AIIBからの投資国拡大で独裁政権がさらに強力に?
しかし、ここにAIIBが参入すれば、どうなるか?
当然、独裁政権誕生の可能性が出てきます。現在、中国共産党が貿易や連携を強化しようとしている国々はベネぜエラをはじめ、アフリカの独裁国家です。独裁国家を作り上げたい理由は、ただ一つ。
中国共産党が管理しやすいためです。そして、もう一つ、日米の経済圏に参入させないためです。
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世銀と中国共産党の深い深い関係はいつから?
世界銀行と中国との関係は、最近になってのものではなく、鄧小平時代に遡ると言われています。80年代、覇権国家という野心を隠し、米国から技術・武器をドンドン仕入れることに成功した中国は、世界銀行をアドバイザーとして、覇権国家を実現するために、どのように進めていくべきか?を打診しています。
この頃からの繋がりが、ここでも活かせた中国共産党。
世銀が指導するAIIBにもう日米は必要なし?
ADB(アジア開発銀行)の強みは、その運用技術・ノウハウにあったわけであり、そのノウハウを欲しがったために、AIIBでは日本、米国の参加を促し固執したと言われています。
しかし、世銀がこの役割を代行し、中国共産党に知恵をつけた(ノウハウを提供した)となれば、中国共産党は、独自に投資国を選定し、どんどんとAIIBを通じて、経済圏を拡大していくことは確実です。さらに中国共産党の子分たちは、中国製の武器に依存していますので、資源だけでなく、なけなしの資金も中国共産党へ出資することになるはずです。
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圧倒的軍事力で確立した米国の経済圏は米軍衰退と共に・・
IMFへの加盟もそうでしたが、中国共産党としては、現在の米国の経済圏を真っ向から対立して潰そうとするのではなく、現在の米国のシステムを維持させつつも、骨抜きにして中国共産党主導による世界経済の枠組みを完成させたいとの狙いがはっきりと見えてきました。
中国を中心に昨年設立されたAIIBが世界銀行や国際通貨基金(IMF)、つまり米国の国際金融覇権に対抗する組織であるのは明白です。米国は敵対する相手を仲間に組み入れることによって軍事衝突を回避する、という最近の安全保障の考え方を金融にも取り入れたのではないでしょうか。
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